ハイエンド裏起毛の拡大画像
先日のジャージ生地の拡大画像に続き、
今回は冬のセミドライで使用する起毛生地を拡大画像を使って解説します。
これはBlackSuitsのハイエンド裏起毛生地「EX Heat Dry」です。
まずはゴム、これが硬いと動きづらいし、着脱がたいへんになります。
BlackSuitsは、どの起毛生地でも業界最高水準の高伸縮ラバー、MRラバーを使用しています。
なので違いはラバーに貼り付けてある起毛生地だけです。
表スキンの生地の場合、内側、体側に起毛素材、表スキン側には生地を貼り付けておらず、
ゴムをメッシュ加工することによって耐久性をアップしています。
この表スキン側にジャージを貼り付けてある生地は、
下半身などに使われているジャージの起毛生地になります。
上半身にスキンを使用するのは、冷風による冷え防止と、やはり伸縮性です。
耐久性は表ジャージ起毛のほうが若干高いですが、ジャージは濡れて風で冷えやすい、
ジャージは水を吸うので重くなるなど、デメリットが多くなるので、上半身をスキンの裏起毛素材を使用します。
いまの起毛素材はすごい！でもまずはサイズ。
裏起毛生地によるあたたかさ、やわらかさがやはりみなさん気になるところかと思います。
現在のハイエンドの起毛生地は、
濡れて発熱する吸湿発熱、伸縮すると発熱する伸縮発熱、可視光線を吸収し発熱・蓄熱するなど、
とても高機能になっています。ですがその分高価な素材を使用しているのでコスト高になっています。
いまいちど立ち返ってほしいのが、生地のよし悪しより、サイジングです。
フィットしていないスーツだとスーツ内の温まった海水の出入りが多くなり、
起毛生地の性能を発揮できません。
なので、ウェットスーツはフルオーダーをおすすめするんです。
逆にいえば、ジャストフィットのスーツなら、
スーツ内の海水の出入りが少ないので、ハイエンドの起毛生地じゃなくても必要十分あたたかいんです。
起毛が高機能になりむかしとは比較にならないくらい快適にサーフィンできるようになりました。
ハイエンドの起毛生地は本当に動きやすくてあったかいです。
でも生地素材の値上げが続いていて、いまやサーフボードと同等の価格になっています…（涙）
ボードをウェットが同じ値段っていうのは、ちがうと思うんですよ…ずっと考えていました。
尾崎さんからお話しを聞きました。
このへんの疑問を先日ご紹介した尾崎さんと話したんです。
いまの起毛生地はすごくよくなっていてすごくいい、でも高価な素材を使用しているから高い。
発熱の度合いだけど、発熱する生地が海のなかで、おー発熱してるって感じないよね。
この生地がスポーツシャツとか濡れてないものなら違いを感じるけど、
海の中の濡れた状態だとほとんど感じない、実際それくらいの温度差なんだよ。
実際はサーフィンで、ジャストフィットで、
機能とコストのバランスがいい起毛生地のスーツでじゅうぶん海の中であったかいんだよ。
よくなってるのはハイエンドの起毛生地だけじゃないから。
ハイエンドじゃない起毛のスーツを着てくれているかたから、さむいなんてまったく聞かないからね。
生地から作っている工場ならではの答えをいただいたんです。
BlackSuitsは、2種類の起毛生地をセレクト
そこでBlackSuitsでは、2種類の起毛生地を用意します。
とにかくいちばんあったかいのがいい！というかたは、ハイエンドのEX Heat Dryを、
あったかいのがいいけどコストも考えてというかたには、Aqua Dryをおすすめします。
EX Heat Dry
ナイロン繊維をベースに、ポリエステル中空糸と、吸湿発熱糸”ウォーヒル”を高い割合で編み込み、保温性、伸縮性、快適な着心地を実現した高機能起毛生地です。
ポリエステル中空糸21%、ウォーヒル28%、ナイロン40%、PU 11%
Aqua Dry
中空糸とエステル糸を乾きのよさと軽さを実現した起毛生地です。吸湿発熱糸(ウォーヒル)と中空糸の組み合わせで保温性と快適な着心地を実現しました。
中空糸(PE)46%、エステル35%、ウォーヒル11%、PU8%
BlackSuitsでは、ゴムはどちらも同じ高伸縮性ラバーのMRラバーで、起毛生地だけがかわります。
またおすすめできる新しいゴム、生地が登場したら、シーズン途中でもどんどんアップデートしていきます。
ハイオクがいい、レギュラーでもいい
わかりやすくたとえるなら、ガソリン。
ハイオク（EX Heat Dry）がいいのは知ってるけど高い…
でもレギュラー（Aqua Dry）で必要な仕事はできる。
こんな感じで伝わったでしょうか？
今年また値上げ、しかも2度…
きのうもお知らせしましたが3月と秋に生地素材の値上げが決まったそうです…
おそらくすべてのウェットスーツが値上げになります。
そのまえに冬用スーツのキャンペーンを開催します。
来冬のスーツをこの冬に作っておくのもいいかもしれません。
